OLIVER-496SDをJP展で一般公開
桜井グラフィックシステムズ(社長:桜井隆太氏)は、5月14日、菊全印刷機のスタンダードサイズとして各社が採用してきた印刷最大幅102~105ミリを、大きく割り込んだ965ミリとして開発、オフ印刷の主軸となる正菊全印刷やA4×8面付け印刷などを対象に高いコストパフォーマンスを引き出すことに特化した新型菊全印刷機「OLIVER496SD」を24日から大阪インテックスを会場に開催される「JP2007情報・印刷産業展」で公開発表することを、記者会見をして明らかにした。 同社はこれまで、部品フレームの共有化により基礎技術の全機種共通化と、それによる仕上がり品質の安定化、さらに生産コストの削減などを追求してきている。「菊半裁66SD」や「B半裁75SD」はこうした部品統合化プロジェクの管理に基づき開発されてきているが、今回の菊全機では約30%の部品が共通化されている。 同時に品質向上を追求する活動として18の部門におよぶ改善プロジェクトが機能化しているが、今回の機種開発は、部門を越えて取り組んできた結果の集大成機ともいえるもので、菊全機に適応する高品位出力と高速生産、ワンマンオペレーティングを可能にする操作性などを実現化することにつながっている。 桜井隆太社長は、同機開発のコンセプトを(1)部品フレームの共有化で導入しやすい適正価格を実現(2)102~105のスタンダード機のブランケット、版、インキなどのランニングコストと96サイズのコスト比較で大きな差が出て、省スペース、省電力などの実現とあわせコスト競争にきわめて強い(3)全長8945ミリとコンパクトで、フル装備の自動化機能とあわせワンマンオペレーティングが可能――などの点を強調した。 「部品の統合化プロジェクトと品質改善プロジェクトの成果を集大成する形で製品化することができた。適正な価格で、お客様が求める以上の品質を基本に、96サイズのニッチ市場を切り開く戦略機として、また価格競争で苦しむ既存菊全企業や、現在菊半機をお使いのユーザーが菊全へのサイズアップを検討する企業の期待にこたえることが出来ると思う」。
桜井ならではの機種の誕生
記者会見に同席した桜井美國会長は次のように語っている。 「菊全サイズには入ってはいけない厳しい世界と長年考えてきたが、内外の市場を調査した結果、現在主流になっている102~105サイズがどのような意味を持つのかに行き当たった。国際紙規格にもとづき機械サイズも規定されるが、実際には紙メーカーも自由なサイズを造っている。お客様から見れば大きいサイズの機械を入れて全ての印刷物をカバーしようとする。その結果、102~105㎜幅の機械に集約されてきた。部品フレームの共有化という流れの中で、極めて桜井らしい96サイズがA4×8面付け、正菊全版の印刷を可能にすることから、菊全のニッチ市場に対する戦略機種としての位置づけで提供していきたいと思う」。 また桜井隆太社長も「今年3月22日にショールームで新製品発表会を開催したが、中国、韓国のお客様も来場され契約された。コンセプトを説明すれば、それだけでこの機種の特長と使い方が理解される」と強い手ごたえを感じている。 柴山慶仁国内販売執行役員は、国内販売について「戦略的に菊全に打って出るユーザーが求めるベストサイズで、主力のA4×8面付けと正菊全の商業印刷までを、都市部の少スペース化の中で実現できることは注目される。国内の菊半裁ユーザーのステップアップ化にワンマンオペレーティングの操作性でお応えできると思う」と語っている。 また取締役海外事業部部長の古見祥一氏は「当社のサイズ96は38インチに該当する。印刷の流れをリードするドイツメーカーも最初は38インチであったが、いつの間にか38インチから40インチに変わった。書籍も商業印刷も、パッケージ印刷も40インチの中で統合化しようとしたためだ。従って、必ずしも40インチは必要としないというお客様の声は海外でも多い。40インチの補完機として歓迎されると確信している」と述べている。 製品コンセプトと特長
同機開発の技術面からの見所について松尾竜繁取締役生産技術本部長は次の4点から説明する。 ■全てにおいて最高品位のアウトプットを優先 最高印刷スピードは毎時1万6000枚。その速度を支えるのは▽優れた耐久性を誇る重厚で堅牢(けんろう)なフレーム・ベッド構造▽大型3次元測定器をはじめとする多数の精密測定器によるミクロン単位の制度の維持▽印刷が完全に終了してから紙の受け渡しを行う、印刷品質に最適な逆くの字胴配列。 ■最新の自動化、省力化装置の充実(標準装備) ユーザーの視点で徹底的に使いやすさを追求し、スキルレス化の市場ニーズを反映し、印圧、紙サイズプリセット装置、SPC自動刷版交換装置、ブランケット・インキローラー自動洗浄装置や最適なインキ皮膜形成を自動設定でき、前準備から印刷までの一元管理可能なQSS付きカラーコンソール(SCCIII)、インキ濃度の安定化を果たすインキローラー温調装置など必要な装備を全て標準仕様機に搭載している。 ■高いコストパフォーマンス 最大印刷サイズは955×630㎜で、正菊全印刷や国際規格であるA4×8面付け印刷に余裕をもって対応できる。ユニークなサイズにより、版・ブランケットや用紙などでのランニングコストの低減を実現する。 ■世界基準の安全性 国際安全規格に対応。安全性を重視しながら作業性も兼ね備えたデザインで、省スペース化を実現した。
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