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ユーザー動向
2007年11月22日 ユーザー動向
大日本印刷 慶応義塾大学SFC研究所と共同でシステム開発

大日本印刷(=DNP、北島義俊社長)は、慶應義塾大学清木康研究室と共同で、デジタルコンテンツの感性的な特徴を分析し、その内容にあった書体を自動的に選択するシステムの研究および基本システムの開発を行った。
 書籍や雑誌などの印刷物では、明朝体、教科書体、ゴシック体など、本文用、見出し用に複数の書体(フォント)が使用され、書体ごとに、“華やかな” “趣がある” “力強い”などの印象を読む人に与えている。そのため、印刷物を編集する際、「明るくて楽しい内容なので、この書体が適している」というように、内容に合わせて書体を選定する作業が、読者の内容の理解を促すために欠かせない。
 しかし、電子書籍などのデジタルコンテンツは、電子機器の条件設定により表示する書体があらかじめ決められているため、コンテンツごとに、その内容にふさわしい書体に切り替えて表示することが困難である。
 DNPと清木康研究室は、コンテンツの印象や文脈、状況など感性的な特徴を抽出し、その特徴を分析して、内容にふさわしい書体を自動的に選定するシステムについて研究し、清木康研究室が開発した多次元ベクトル空間を有するマルチメディア・データベースシステム(画像、音楽、文書を意味的、感性的に分析し検索するデータベースシステム)の応用システムとして開発した。
 これにより、デジタルコンテンツのよりダイナミックな表現の場の構築が可能となった。
【研究の概要】
 今回開発したシステムでは、従来、コンテンツと書体を結びつけてきた書籍デザイナーなどの専門家の感性と経験値をデータベース化した。このデータベースと文章や画像の感性的特徴を分析する仕組みを活用して、コンテンツの内容にふさわしい書体を選択する。
 さらに、コンテンツだけでなく、表示する電子機器の特性、読者の嗜好や視覚障害などの条件にも対応して、「コンテンツ」「電子機器」「読者」のそれぞれに最適な書体を自動的に選定して表示する。
 また、デジタルコンテンツに含まれる静止画に合わせて、そのタイトルや説明文に最適な書体を選択することも可能。
【基本システムの概要】
(1)候補となる13書体を選定し、感性を表す40の形容詞について、それぞれの書体がどの程度あてはまっているかを数値データ(ベクトルデータ)で表す。
(2)対象となるコンテンツの文章または静止画から感性的な表現を抽出し、(1)と同様の手順で、40の形容詞により数値データ(ベクトルデータ)化する。
(3)書体とコンテンツの分析結果((1)と(2))を照合し、合致の度合いが高い順に、優先的に表示する書体の順位を決定する。
(4)視覚障害や老眼など、読者の条件に応じて、より視認性の高い書体の優先順位を上げる。また、読者が好む書体や、よく利用する書体の優先順位を上げるなどの変更も可能。
(5)携帯電話やパソコンなど、それぞれの電子機器に適した大きさや解像度で書体を表示する。
【今後の取り組み】
 同研究の基本システムは、「ストリートチルドレン芸術祭2008年カレンダー」(発行元:ストリートチルドレン芸術祭実行委員会 http://children-smile.com/)の製作で実際に使用された。
 DNPと清木康研究室は、基本システムの実用化に向けた評価を今後も行っていく。


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