|
凸版印刷(東京都千代田区、足立直樹社長)は、フォトマスクメーカーとして世界で初めて32nm(ナノメートル:1nmは10億分の1メートル)世代対応のフォトマスクの製造プロセスを確立し、6月中旬より本格的な量産をスタートする。
この製造プロセスは、現在大きな課題となっているフォトマスクの製造期間長期化と価格上昇を抑制し、半導体の開発効率化に寄与する。
今回量産を開始するフォトマスクは、32nm半導体開発で先行する半導体メーカーに既に出荷しており、高い評価を受けている。
【開発の背景】
・携帯電話などのモバイル機器やデジタル機器の更なる性能向上のために、半導体業界においては45nm、そして32nmと微細化実現のための技術開発が進んでいる。この微細化にともない、半導体製造プロセスにも液浸リソグラフィ技術やダブルパターニング技術などの新技術が導入され更に複雑化している。そのため半導体の回路原版となるフォトマスクに求められる技術要求もますます高まってきている。
・その中でも、特に重要視されるのがフォトマスクの寸法精度。しかし従来の技術では、32nm世代で求められる寸法精度を達成することが難しく、新たな技術の開発による課題解決(ブレイクスルー)が強く求められていた。またフォトマスクへの技術要求の高度化、製造難易度の向上にともない、フォトマスクの製造期間長期化、価格上昇が大きな課題となっている。
・今回、凸版印刷は、基板材料から見直した32nm対応の新フォトマスク製造プロセスを開発、フォトマスクメーカーとして世界で初めて本格量産をスタートする。また、より安定したフォトマスクの供給に向けたさらなる開発を継続していく。
【新フォトマスク製造プロセスの概要】
・凸版印刷は材質・構造を抜本的に見直した新構造のフォトマスクブランクス(フォトマスクの基板材料)をこの32nm対応フォトマスクで初めて採用、併せて新材料の特性を最大限に発揮するフォトマスク製造プロセスを開発した。
具体的には、従来の先端半導体製造プロセスで微細パターン形成に使われてきた「ハーフトーンタイプ」と「バイナリータイプ」の2タイプを開発、両タイプとも従来品よりも大幅に寸法精度を向上させることに成功した。
・さらにフォトマスク材料、フォトマスク製造プロセス、半導体リソグラフィ技術が三位一体となった半導体製造プロセス開発を推進、これまで「ハーフトーンタイプ」でしか実現できなかったウェハ上での微細パターンの形成を「バイナリータイプ」でも実現することに成功した。
・「バイナリータイプ」は「ハーフトーンタイプ」と比較してマスク製造プロセスがシンプルであり、今まで「ハーフトーンタイプ」を使用していた工程を
「バイナリータイプ」に置き換えることにより、フォトマスクの製造期間長期化抑制、価格上昇抑制という、新しいソリューションをお客様に提供することが可能となる。
・「バイナリータイプ」の優位性については、すでに複数の半導体メーカーによるウェハシュミレーションやウェハ転写評価において、「ハーフトーンタイプ」を上回る良好なパフォーマンスが実証されている。
|