凸版印刷 立体感や動きを表現するシステムを世界で初めて開発、警告表示や店頭装飾に活用
2019年07月09日
 凸版印刷(東京都千代田区、麿秀晴社長)は、これまで培ってきた印刷物のモアレを軽減させる技術を活用し、任意の画像をモアレで表現できるようにするシステム(以下、同システム)を世界で初めて開発。同システムを活用したサンプルの提供を2019年7月9日より開始予定。
 同システムは、画像を2枚のパターンに分解するシステム。これを活用することで画像の立体感や動き、色の濃淡をモアレで表現することが可能になる。通常の印刷物と異なり、奥行きを感じさせたり絵柄に動きを感じさせたりすることができるため、街中の警告表示や看板、POPなどの店舗装飾への活用が期待できる。


同システムでデザインしたモアレ © Toppan Printing Co., Ltd.


■ 開発の背景/概要
 モアレとは、規則正しく並んだ点や線を複数重ねた時に、視覚的に発生する縞模様のことで、印刷物やディスプレイなどで発生することがある。モアレが発生すると、意図しなかった見栄えの悪い画質となるため、発生の軽減が課題になっています。従来、凸版印刷ではモアレを軽減させる技術の研究を進めており、これまで様々なモアレについて調査・解析を行ってきた。一方で、これまでは不必要なものであったモアレをあえて積極的に用いることで、アイキャッチ性・訴求力がある表現の実現を目指して、これまでの知見や技術をもとに研究を進めてきた。

 今回、任意の画像の濃淡、立体感、動きをモアレによってコントロールできるように、異なるピッチや位相を持つ2枚のパターンに分解するシステムを世界で初めて開発。分解した画像をそれぞれ印刷し、透明な板を挟んだり、距離を置いて設置したり、隙間を空けることで狙ったデザインにモアレを発生させる。これにより、印刷物にモアレの特性を生かした立体感や動きをもたせることに成功した。

■ 同システムの特長
・立体感や色の濃淡、動きを表現することが可能
 狙ったデザイン通りに色の濃淡や立体感が表現可能。奥行きの表現やモアレ特有の動きを活用した、全く新しいデザインの作製が可能になる。

・視認性が高くアイキャッチ効果がある
 同システムを活用することでモアレ特有の動きをデザイン通りに発生させることが可能。これにより、通常の印刷物と比べて目を引くため、警告表示や店頭装飾、看板などPOPとしての活用が期待できる。

・デザインから納品までを短時間で安価に可能
 レンチキュラー(※1)などの特別な形状のレンズシートを必要とせず、2枚のシートに印刷し貼り合わせるだけで作製できるため、従来の特殊印刷と比べて時間や費用を低減できる。また、ディスプレイする際には電源等を必要としないため、電気代がかからない。

同システムを活用したモアレ製作の流れ © Toppan Printing Co., Ltd.


■ 今後の目標
 凸版印刷は、同システムで作製したモアレデザインのフルカラー化や見やすさの向上、および画像をモアレパターンに分解する処理の高速化を目指して本システムのブラッシュアップを進め、2019年10月までに試験導入を目指す。

※1 レンチキュラー
 かまぼこ状の凸レンズシート。これを用いることで、見る角度によって絵柄が変わったり、立体感がえられたりする印刷物を製作できる。