大日本印刷 次世代モバイルセキュリティモデルのIoT事業実現に向けてArm社と協業
2019年11月29日
 大日本印刷(DNP)は、Arm Limited(Arm社)と協業し、高セキュリティなエッジコンピューティング技術と莫大なデータ量にも対応できるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)クラウドサービスを連携させた「次世代のIoT事業」を創出するプロジェクトを12月に開始する。
 IoTの普及に伴い、ネットワークのクラウド環境やサーバーだけでなく、個々の“現場(エッジ)”にある機器(エッジデバイス)でもデータ処理を行うことで、通信の高速化やデータ処理の高度化につなげるエッジコンピューティングの活用に注目が集まっている。DNPはArm社との協業の第一弾として、エッジデバイス等に組み込むDNPのセキュアエレメント(eSE:embedded Secure Element)と、Arm社のIoTクラウドサービス「Pelion(ペリオン) IoT Platform」を組み合わせた機器メーカー向けIoTサービスを開発する。このデモを、Arm社が12月6日(金)に、東京コンファレンスセンター・品川で開催する「Arm Tech Symposia 2019 Japan」(https://www.armkk-event.com/)で公開する。

【両社協業の狙い】
DNPは、ICカードのソフトウエア開発等で培った、外部の攻撃から機密情報を守る耐タンパー技術とセキュアプログラミング技術を応用し、IoT機器等に組み込むセキュアエレメント(eSE)を2018年に開発し、機器メーカーや金融機関等に提供してきまた。eSEは暗号鍵や証明書などを保持し、通信の際に重要情報の暗号化や復号を行うもので、決済端末をはじめ、高いセキュリティが要求される分野で実績がある。一方Arm社は、IoT デバイス自体や取得データ、接続状況などを一元管理する IoT クラウドサービス「Pelion IoT Platform」を2018 年からグローバルで展開している。
2035年までに1兆個を超えるIoTデバイスがインターネットにつながると想定されるなか、多くのメリットと同時に情報セキュリティ関連のリスクも高まると見込まれている。今回、両社の協業によって、DNPのeSEとArm社のIoTクラウドサービスを組み合わせることにより、高セキュリティで取り扱いが容易なIoTサービスの提供を実現していく。DNPは特に、日本とアジアを中心とするグローバル市場において、主に機器メーカー向けに新しいユースケース(利用者から見たシステムの利用場面)を開発していく。
【DNPとArmの協業により提供するIoTサービスの概要】
「DNP機器組込み用セキュアエレメント」(eSE)を、Arm社の「Pelion IoT Platform」に接続するIoTデバイスなどに組み込むことで、同サービスを利用できる。
1. エッジデバイスの暗号鍵や証明書等の重要情報を安全に管理
eSEをエッジデバイスの基板に直接実装し、その中にIDや暗号鍵、証明書等の重要情報を保存することで、第三者による改ざんやなりすまし、システム侵入などの脅威から守る。
2. デバイスの管理やデータの引き出しが可能
エッジデバイスに組み込んだeSEと「Pelion IoT Platform」を連動させて、相互認証を行うことにより、各エッジデバイスの管理やデータ通信を安全かつ効率的に行うことが可能。
■同協業におけるPelionサービスのイメージ


PelionでIoTのデバイスとコネクティビティを一元管理
        

【今後の展開】
DNPは、今回Arm社と共同開発したプロトタイプを利用したコンセプト実証(PoC:Proof of Concept)を2019年度末までに実施する。その後、PoCで得られた知見をもとに、2020年度より本格的にサービス・製品を販売し、2021~2023年度の3年間で累計10億円の売上を目指す。